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打楽器を勉強し、独学で作曲し、ときどき鍵盤ハーモニカを演奏する ”ボブ”と呼ばれる音楽家・渡邉達弘のホームページです。

缶とお酢ティー納豆 -Homage to "Canto Ostinato" by Simeon ten Holt- op.124

缶とお酢ティー納豆 -Homage to "Canto Ostinato" by Simeon ten Holt- op.124

・楽器編成:小物打楽器(ガラクタ?)二重奏
・使用楽器:空き缶・空き瓶・茶碗・納豆パック
・演奏時間:約3分
・脱稿日:2013.12.06
・初演日:2014.01.26
・初演者:服部恵+渡邉達弘

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<解説>
この曲は2013年1月26日に開催された「もんてん小学校楽器大行進vol.6」のために作曲し、服部恵と渡邉達弘により初演されたガラクタ二重奏です。
シメオン・テン・ホルトの名曲「Canto Ostinato」に触発されて、5連符をベースにしたミニマル音楽を作ってみたくて作曲しました。
それぞれの演奏者が楽器として缶とお酢の瓶・湯呑茶碗・納豆パックを使用し、バチの代わりにお箸で演奏します。初演時は、栗かの子の缶、ポン酢とすし酢の瓶、マクドナルドのティーコップ、納豆パックを使用しました。
「缶とお酢ティ納豆!」という声のリズムを主題として、各ガラクタにスポットを当てたシーンによって楽曲は構成されています。納豆パックのシーンは国内納豆販売シェア順(wikipedia調べ)に納豆の名称を列挙し、その商品名をリズム化しています。お酢の瓶のシーンは様々な酢の種類、茶碗のシーンはお茶の種類(名称)をリズム化して演奏しています。(例:おかめ納豆→タタタタッタ)
最後は主題をフェイズしてヴァリエーションし、1週して再びユニゾンとなったところで終曲となります。
食器を叩くような非常に行儀の悪い楽曲ですが、演奏してみると思いがけず難しく、また容器の持つ音色の面白さに驚くと思います。日々の食卓で当たり前のように出会うヤツ(容器)でミニマル音楽のオスティナートを紡ぎます。
ね、なかなか陽気で面白いヤツらなのです。(ダジャレだ!)

 

○演奏動画(音源)

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☆楽譜

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虚構再構築 - Figment-Reconstruction for Mallets Quartet- op.123

虚構再構築 - Figment-Reconstruction for Mallets Quartet- op.123

・楽器編成:打楽器4重奏
・使用楽器:Marimba(5oct.)×2、Vibraphone×2
・演奏時間:約7分半
・脱稿日:2013.11.03
・初演日::2014.02.26
・初演者:日芸打楽器アンサンブル

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<解説>
この曲は日本大学芸術学部音楽学科打楽器専攻より委嘱を受けて作曲し、2014年2月26日に学生有志の演奏会で伊藤諭・浜谷安里・牧野昌平・室橋歩美によって初演されました。
クラシック・ジャズ・ポップス・祭囃子など音楽には様々なジャンルがありますが、どのジャンルでも演奏者や聴衆などその場にいる全ての人が同じ音楽、同じ拍子・リズムを感じることで感動的な一体感を生み出す力があると感じています。
一方で、木の葉が風に揺れる音や海の波音のような自然の音には心地よい不規則なリズムや情緒を感じます。そんな一定ではない不規則なリズム、或いは一体感を生み出すことを前提としないリズムを音楽に持ち込むことはできないのか、またそのような聞く人によって異なる拍子を感じるような音楽を作ることができれば、一体感はないけれど個人的で豊かな解放感のある聴き方をしてもらえるのではないか、という考えからこの曲は生まれました。
この曲を演奏すると、楽譜上に指定されているテンポや拍子とは異なるニセモノのテンポや拍子が生み出される仕掛けを施しました。そのニセモノのリズムで紡がれる「虚構」の音楽は、複数の異なる拍子感で演奏されるパートの層を持って「構築」され、聴く人によって異なる拍子が感じられるように設計されています。
お聴きになる方は一体感や共感など気にせず、あなただけの・あなたらしい・あなただけの感性で、あなただけのテンポ、あなただけの拍子やリズムにノってお楽しみください。もし環境が許せば、どうぞ体を揺すってお聴きください。すると自分だけのリズムに揺れる方々で満たされた客席が、海の波のように揺れ動く光景が見られるはずです。
この楽曲はそんな脱一体感からの「再構築」を目指したものです。

 

●DEMO

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☆楽譜

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Rhythm Constellation -for Percussion Quintet- op.122

 


Rhythm Constellation -for Percussion Quintet- op.122

・楽器編成:打楽器五重奏
・使用楽器:Vib.、B.D.(共有)、鉄琴、Tri.、鍵盤ハーモニカ、Sleigh Bells、Hi-hat、Cabasa、Bongo(共有)、Tuned Gong、Guiro、Sus.Cym.
※Tuned GongはMar.やXylo.(with Yarn or Rubber mallet)での代用可
・演奏時間:約7分
・脱稿日:2013.09.20
・初演日:2014.01.26
・初演者:南十勝打楽器合奏団

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<解説>
この曲は、山本正史氏の委嘱により南十勝打楽器合奏団(Nanda?PercussionEnsemble)のために作曲した打楽器五重奏です。
南十勝と自分との間に何か接点はないだろうかと調べてみたところ、南十勝が航空宇宙分野に積極的な地域であることを知りました。宇宙好きな僕としては、それならば宇宙と五重奏の"5"に関連のある楽曲を!と考え、5機の人工衛星から成る地球観測衛星隊列“A-train”と呼ばれる衛星コンステレーションを題材に作曲することにしました。
コンステレーション」には“星座”という意味があります。人類が目立つ星の並びから動物や神などの星座を見出して意味や物語を紡いできたように、演奏者(=人工衛星)や楽器・リズムの並びなどから“コンステレーション”を創造・想像することで、意味や物語を紡ぐことを目指しました。
連携・暴走・破綻・再起動・連動。5つの衛星(=5人の演奏者)の観測(=演奏)から、果たしてどのような意図・物語が紡がれるのでしょうか。


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☆楽譜

もののあはれ -マリンバとピアノのための- op.121

もののあはれ -マリンバとピアノのための- op.121

・楽器編成:Marimbas & Piano
・使用楽器:Marimba(5oct) (※-petit-は4+1/3)
・演奏時間:約7分
・脱稿日:2013.06.24
・初演日:2013.10.27
・初演者:たかがわいづみ

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<解説>
この曲は、高川いづみ氏の委嘱により2013年の春から夏にかけて作曲し、同年10月に初演された。(初演後、譜面に少し手を加えたものを2014年秋に出版しました。)
「秋色の風にのせて」というタイトルのコンサートに繋がるようなメロディックかつリズミカルな楽曲を!というご要望をいただきました。そこで古今和歌集に収録されている六歌仙の“秋”にまつわる和歌三首を選んで、その情景をイメージして作曲することにしました。
平安時代には和歌をやり取りする風習があったと言われますが、この曲では旋律(テーマ)をマリンバとピアノとの間でやり取りしたり、紡いたり、返歌(変化)して展開してゆくことをイメージしました。

僕は秋生まれなのですが、実は秋には苦手意識があります。景色や空気の変化に触れると、なんとなく物哀しい気持ちになってしまうのです。しかし折に触れて感じるそういった秋の心の変化は、日常を単調・単色なものではなく、変化に富み鮮やかなものと捉えているためではないかと、思えるキッカケになりました。
もののあはれ。この曲が演奏される方・お聴きになる方々の日常を彩るものとなりますように。

 

●DEMO

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なりものいり! -Fanfare for Snare Drums- op.120

なりものいり! -Fanfare for Snare Drums- op.120

・楽器編成:小太鼓二重奏
・使用楽器:2 Snare Drum
・演奏時間:約3分
・脱稿日:2013.02.15
・初演日:2013.03.02
・初演者:正木恵子+渡邉達弘

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<解説>
この曲は2013年3月2日に開催された両国門天ホールのオープニングコンサートのために作曲し、正木恵子・渡邉達弘によって初演された楽曲です。
都合により閉館することとなった門前仲町の“もんてん”が、両国に場所を移して新たに始動することとなったことを受け、両国と言えば相撲!という思いつきから、相撲の太鼓のリズムについて調べてそのフレーズを採用したり、小太鼓の上で紙の“トントン相撲”をしたりなど、様々な相撲にまつわるアイデアを盛り込んで作曲しました。変わった小太鼓二重奏ですが、両国の相撲に負けないくらい両国の“もんてん”も活気に満ちて賑わって欲しいという想いを込めたつもりです。
初演の際、共演者の宮田篤さんと深澤孝史さんが「トントン相撲」用のお相撲さん作ってくださったので使用させていただきました。安定感のあるお相撲さんだったためかなかなか倒れず、演奏者だけでなくお客さんも「のこった!のこった!」と声援を送ってくださったことが、またそのような声が“もんてん”に響いたことが嬉しかったです。“もんてん”も残って本当に嬉しかったです。
両国門天ホールの益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。


○演奏動画(音源)

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☆楽譜

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Drumming World -5つの異なる文化圏の打楽器のための- op.119

Drumming World -5つの異なる文化圏の打楽器のための- op.119

・楽器編成:打楽器5重奏
・使用楽器:Djembe,Darbuka,Pandeiro,Cajon,Drums
・演奏時間:約3分
・脱稿日:2012.10.18
・初演日:2012.11.28
・初演者:岩原大輔+小澤敏也+立岩潤三+正木恵子+渡邉達弘

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<解説>
この曲は吉祥寺のMANDA-LA2で開催された音楽家・チャーリー高橋さんの大規模なライブ「高橋まつり2012」に出演させていただくにあたり、「ボブ君、共演する打楽器奏者の方々と演奏する打楽器アンサンブル曲を作ってよ~」とお声がけいただいたことをきっかけに作曲した楽曲です。
ジャンベ奏者の岩原大輔さん、パンデイロ奏者の故・小澤敏也さん、タブラやダラブッカなどの民族打楽器を演奏される立岩潤三さんという錚々たる方々に、メールやリハーサルで楽器の奏法や演奏される音楽の特性などを簡単に教えて頂きながら、「チャーリー高橋さんにまつわること」をリズムテーマに即興演奏していただく楽曲を作曲し、ライブで演奏していただきました。
当時は冷や汗ダラダラで「僕なんかが、なんて烏滸がましい!」と思っておりましたが、皆さん快く演奏してくださり、今振り返っても「なんて貴重な機会だったんだ!」と本当に有難く感じています。

 

○演奏動画(音源)

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おまえうまそうだな -絵本読み聞かせのための音楽- op.118

おまえうまそうだな -絵本読み聞かせのための音楽- op.118

・楽器編成:読み聞かせとPiano (Solo)
・使用楽器:Piano
・演奏時間:
・脱稿日:2012.10.13
・初演日:2012.10.18
・初演者:たゆたう+渡邉達弘

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<解説>
黒田由希生さんと綾田将一さんによる読み聞かせユニット「たゆたう」のお誘いで、「たゆたう函館ツアー2012 鞄に絵本を詰め込んで」に音楽家としてお供した際に披露する絵本のために作曲した楽曲です。

☆楽譜