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打楽器を勉強し、独学で作曲し、ときどき鍵盤ハーモニカを演奏する ”ボブ”と呼ばれる音楽家・渡邉達弘のホームページです。

虚構再構築 - Figment-Reconstruction for Mallets Quartet- op.123

虚構再構築 - Figment-Reconstruction for Mallets Quartet- op.123

・楽器編成:打楽器4重奏
・使用楽器:Marimba(5oct.)×2、Vibraphone×2
・演奏時間:約7分半
・脱稿日:2013.11.03
・初演日::2014.02.26
・初演者:日芸打楽器アンサンブル

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<解説>
この曲は日本大学芸術学部音楽学科打楽器専攻より委嘱を受けて作曲し、2014年2月26日に学生有志の演奏会で伊藤諭・浜谷安里・牧野昌平・室橋歩美によって初演されました。
クラシック・ジャズ・ポップス・祭囃子など音楽には様々なジャンルがありますが、どのジャンルでも演奏者や聴衆などその場にいる全ての人が同じ音楽、同じ拍子・リズムを感じることで感動的な一体感を生み出す力があると感じています。
一方で、木の葉が風に揺れる音や海の波音のような自然の音には心地よい不規則なリズムや情緒を感じます。そんな一定ではない不規則なリズム、或いは一体感を生み出すことを前提としないリズムを音楽に持ち込むことはできないのか、またそのような聞く人によって異なる拍子を感じるような音楽を作ることができれば、一体感はないけれど個人的で豊かな解放感のある聴き方をしてもらえるのではないか、という考えからこの曲は生まれました。
この曲を演奏すると、楽譜上に指定されているテンポや拍子とは異なるニセモノのテンポや拍子が生み出される仕掛けを施しました。そのニセモノのリズムで紡がれる「虚構」の音楽は、複数の異なる拍子感で演奏されるパートの層を持って「構築」され、聴く人によって異なる拍子が感じられるように設計されています。
お聴きになる方は一体感や共感など気にせず、あなただけの・あなたらしい・あなただけの感性で、あなただけのテンポ、あなただけの拍子やリズムにノってお楽しみください。もし環境が許せば、どうぞ体を揺すってお聴きください。すると自分だけのリズムに揺れる方々で満たされた客席が、海の波のように揺れ動く光景が見られるはずです。
この楽曲はそんな脱一体感からの「再構築」を目指したものです。

 

●DEMO

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○演奏動画(音源)

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☆楽譜

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