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打楽器を勉強し、独学で作曲し、ときどき鍵盤ハーモニカを演奏する ”ボブ”と呼ばれる音楽家・渡邉達弘のホームページです。

机上のゆうきち -机のための音楽・八丈太鼓風- op.111

机上のゆうきち -机のための音楽・八丈太鼓風- op.111

・楽器編成:机 二重奏
・使用楽器:机
・演奏時間:約3分
・脱稿日:2012.06.18
・初演日:2012.06.30
・初演者:正木恵子+渡邉達弘

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<解説>
この曲は、友人の音楽家・チャーリー高橋氏からの依頼と協力によって作曲した机(テーブル)を 2人の奏者が演奏する楽曲です。

ある日、チャーリー高橋さんから東京都八丈島郷土芸能「八丈太鼓」の話を伺った際に、1つの太鼓を裏表両側から2人で演奏する老若男女が心から楽しんで演奏する音楽なのだと教えて頂いたのですが、鼓動の和太鼓やねぶた祭の和太鼓のようなイメージを持っていた僕には想像がつきませんでした。

YouTubeで様々な動画を見たり、音楽の構造を解説するサイトなどで調べたところによると、一方の演奏者が基本となるリズムを刻み、もう一人が即興的に思いのままに太鼓を打ち鳴らすという音楽らしいことが分かりました。しかも刻み役と即興役の攻守が入れ替わったり、演奏者が演奏中にバトンタッチしたりすることもあり、それまで抱いていた「筋骨隆々の男たちが渾身の力で1曲を叩ききる」というような和太鼓のイメージを根底から覆すものでした。

“ゆうきち”は「ドンドコドンドコ」と程よいテンポで一人が基本打ちをし、もう一人が即興的にリズムを打ち鳴らす音楽で、「ハ~ ウチヤレ キリヤレ キタマダ キタマダ」という掛け声も特徴的です。“しゃばたき”はアップテンポな中で繰り出されるテクニカルなリズムがカッコ良い音楽です。

僕は実際に八丈島を訪れたこともなければ、生の演奏を聴いたこともなく、インターネットで調べることができた資料から知り得たことを基に頭で考え、机の上だけで作ったので、まさに「机上の空論」のようだなと感じています。
しかし、この手と目の前の机ひとつでその精神を1mmでも再現・真似できるなら、遠く離れた八丈島の風味を机上に表現することは、空論であっても決して空虚ではない!と思いたいところです。

 

○演奏動画(音源)

youtu.be


☆楽譜

www.bluemallet.com