すず むし -糸のついた二つの鈴のための- op.96
すず むし -糸のついた二つの鈴のための- op.96
・楽器編成:鈴 二重奏
・使用楽器:音程の異なる鈴(2つ)
・演奏時間:約3分
・脱稿日:2011.08.17
・初演日:2011.09.25
・初演者:正木恵子+渡邉達弘
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<解説>
この曲は2011年8月に作曲した教育用の鈴の二重奏です。
音高の異なる2つの鈴に糸をつけてヨーヨーのようにぶら提げられるようにし、奏者はポケットなどにハサミを用意して演奏を開始します。
楽曲は「す・ず・む・し」の4つの音から2つの音を選んで作られる言葉を鈴を演奏することで表現します。例えば「むし」を選んだら虫の表現を、「すし」を選んだら寿司の表現をするという単純なアイでアで構成されています。
尚「むし」は3回出てきますが、序盤の「むし」は虫の気持ちを表現するように演奏し、2回目の「むし」は鈴を虫に見立てて茂みの中をカサカサ動くように演奏します。そして最後の「むし」は草むらに潜んでいる様子を表現して欲しいので、虫の存在を感じられれば音が出なくても構わないと思っています。「鈴虫が鳴くのをじっと待つような雰囲気」を演奏してください。
最後の「しす(死す)」は声を合わせ、線香花火がぽとりと落ちるように、ハサミで糸を切ることで事切れる様子を表現しています。
糸が切れた瞬間や鈴が地面に落ちたときの音が「すず むし」の断末魔の声となり、終曲します。
雰囲気が大切な曲です。特に「むし」から「すし」への移り変わりで発せられる「へい!らしゃい!」という声は雰囲気をガラリと変えて威勢くお願いします。そこで生まれるギャップが大きければ大きいほど、終曲の“死”の表現がより静謐なものになると考えています。
全体的に非常にアホな曲です。アホだからこそ、それぞれのシーンのイメージ・雰囲気を大切に、演奏して欲しい楽曲です。
○演奏動画(音源)
☆楽譜