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打楽器を勉強し、独学で作曲し、ときどき鍵盤ハーモニカを演奏する ”ボブ”と呼ばれる音楽家・渡邉達弘のホームページです。

ニュー・トン!力学 -新しい打楽器の分類法- op134

ニュー・トン!力学 -新しい打楽器の分類法- op134

 Ⅰ.こする -摩擦力-
 Ⅱ.吹く -風力-
 Ⅲ.跳ねる -重力-
 Ⅳ.打ち合わせる -衝突力-
 Ⅴ.振る -振動力-
 Ⅵ.まわす -回転力-
 Ⅶ.フィナーレ -全力-

・楽器編成:打楽器六重奏
・使用楽器:様々な打楽器
・脱稿日:2015.10.30
・初演日:2016.02.14
・初演者:南十勝打楽器合奏団

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<解説>
この曲は2016年に山本正文さんからの委嘱により作曲した、打楽器アンサンブルのための組曲です。
打楽器組曲の中には、木質打楽器や金属製打楽器などといった素材によって楽器を分類して楽章を構成する楽曲が存在しますが、この曲では“楽器の奏法”・“演奏者の所作”によって楽器を分類・構成しています。
山本さんからこのアイデアを提示されたときには「そんな曲を書くことはできるのか?」と思ったものですが、この全く新しい(=ニュー)打楽器(=トン!)の力学的分類(?)による組曲は、ニュートンもびっくりの新発見ではないか?思い、タイトルにも彼の名前を冠してみたのですが、はてさて(笑)。
曲は「こする-摩擦力-」「吹く-風力-」「跳ねる-重力-」「打ち合わせる-衝突力-」「振る-振動力-」「まわす-回転力-」「フィナーレ-全力-」の7つの楽章から成っており、演奏者は「モノボケ」のギャグを披露するように楽器を用意して演奏をしていきます。
またそれぞれの楽章には定められた所作をテーマにして構成されているだけでなく、次の楽章(=所作)のキッカケを見出すような仕掛けが施されています。必ずしも有意義なキッカケとは限りませんが、組曲として編むにあたり、うっすらと非常にバカバカしくても良いから関連性や一貫性を確保したつもりです。
正直、あらゆる意味でバカバカしさの極地とも言える『ニュー・トン!力学』を作曲する機会をくださった山本氏に、心から感謝申し上げます。