Regolith in the air -宙のレゴリス for Xylophone Trio- op.142
Regolith in the air -宙のレゴリス for Xylophone Trio- op.142
・楽器編成:木琴三重奏(オプションパートあり四重奏、五重奏でも演奏可)
・使用楽器:3 Xylophone
・演奏時間:約5分
・脱稿日:2017.08.17
・初演日:2017.10.28
・初演者:南十勝打楽器合奏団
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<解説>
この曲は山本正史さんの委嘱によって作曲された、こおろぎ社の卓上木琴(Eco32)2台とXylophoneの為の木琴三重奏です。オプションパートがあり、四重奏や五重奏としても演奏できます。
普段は曲名やテーマを決めてから作曲をするのですが、この曲は曲名などが決まらぬまま作曲をしていたので、曲を書いている途中で僕が書きたかいことはなにかを整理してみました。
その結果、比較的簡単なフレーズを重ね合わせて充実したアンサンブルを作ることと、初めて聴いた人が親しみを感じるような分かりやすい旋律の曲を作るということだと確認しました。
また同時期に、委嘱を受けた山本さんがお住いの北海道で、民間初のロケットの打ち上げが失敗したというニュースがありました。様々な試験を“重ねて”作り上げられた「ロケット」が、「打ち上げ」という“分かりやすい”形を伴っていることが、なんだか作曲中だったこの曲と連動している部分がある気がしました。
ロケットは宙で分解してしまいましたが、消えてなくなったのではなく次に繋がるデータや経験が重なっていきます。ニュース映像を見ながら、ロケットは音のように消えたけれど何かが宙に重なったようにも感じられました。
レゴリスとは月の砂など表層に重なるもののことを指します。一人一人のシンプルな音はすぐに消えてしまうけれど、宙空で重なり合ってレゴリスのような音楽になりますように。ひいては、多くの方に親しみを持っていただけますように。
●DEMO
○演奏動画(音源)
☆楽譜